【書評】AI時代の翻訳に役立つGoogle活用テクニック
AI時代の翻訳に役立つGoogle活用テクニック
作者:安藤進
価格:1600円+税
書評:★★★☆☆
読書時間:60分
- はじめに
- 本編
- まとめ
1 はじめに
いずれフリーランスの通訳者、翻訳家を目指す、という目標をもち、勉強に取り組む毎日。そんな中、英語関係の雑誌を読んでいてぱっと目に入った本がこちら。
こちらの本も、最寄りの図書館で借りました。
少し驚いたのは、この作者の方は1947年生まれの方であるのに、バリバリPCとか使いこなしている様子。また文章から受けるイメージも若く、とても70歳以上の方が書いたものとは思えない。
私もこのようなおじいさんになりたいなぁと、本を読みながら考えていました。
2 本編
さて本編ですが、以下のような構成になっています。
- AI翻訳に関する基礎知識
- 演習編(英→日)
- 演習編(日→英)
- まとめ
このうち演習編に全体の90%以上を使っていて、実際翻訳を依頼されそうなトピックスや文章を中心に、AI翻訳の上手な使いこなし方を紹介している。
具体的は、Google翻訳とBing翻訳を中心に、
- Google Scholar
- Google Ngram Viewer
- Google Patents
- Springer Exemplarコーパス ※2019年9月現在で閉鎖しています。
- 英辞郎
- 翻訳訳語辞典
- 英英辞典(OneLook)
の具体的な使い方と、そこから得た情報をどう判断し、訳に活かしていくかについて、20以上の例題を使って具体的に示している。
日→英の翻訳をする場合、自然な英語表現になってるかどうか、紙の辞書や電子辞書などで調べてみたり、Googleを使ってよりヒット数の多い表現は何かを検索してみたりする方が多いと思う。
しかし、それでは正解率は60%でまだまだであり、そこでGoogle Scholarなどを使って、より自然な英訳を使用とするもの。
一般に、翻訳家から見ればAI翻訳はライバルであり、将来的に仕事を奪っていくものと思われているようですが、作者はAI翻訳の現状の限界を見極めつつ、それをどう今の翻訳に活かしていくか、という視点で書いています。
またどれもこれも実践的な使い方をデータなどで示してあり、今まで紙の辞書や電子辞書を中心に、ネットでは英辞郎くらいしか使ってなかった人には、非常に役に立つ内容となっています。
3 まとめ
私もひと昔前では、例えばGoogle翻訳なんて全然使えないと思っていたのですが、最近は日本語をきちんと入力すると、それなりの英訳を返してくれることがわかり、特に大量に翻訳する場合はすごく助かっている。
Google Ngram Viewerは知ってはいたもののあまり使ってはおらず、Google ScholarやGoogle Patentsについてはアクセスしたこともなかったので、今後はこれらを使いこなしていけたらと思う。